からまる糸


「お前も俺に暗語を知られて
 いなければ、婿をもらって
 いたのかもな。

 でも、人知れず、創られた
 この仕組みは誰にも知られ
 ずに受け継がれたもの。

 そなたが、悪い訳ではない。

 ソナタは冬から始まった。」


 彼女は元に戻ったように、冷静に
電話の通話記録を自ら削除して、今
しがたのことは全て忘れたように、
寝床についた。
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