KISS
暗い顔をしたレンがまた話し出す。
「でも…その人さ、きっと俺と同じで寂しがりなんだ。」
「うん…」
「本当は俺が傍に居たいんだ。…でも…
その人の隣にいるのは、俺じゃ駄目なんだ。」
どうしてそこまで人を好きになれるの?
「本気で好き…なんだよね。」
まっすぐで綺麗な気持ち。
「…うん…」
「手に入れたいよっ…!!」
はじめて見た、レンの弱さ。
なんだか苦しくて。
あたしの気持ちまで、はちきれそうで…―――
「ねえ…レン…」
―――あたしはあなたの名前を呼んだ。