KISS


優しく、あたしの頬を触るレン。


「どうしたの?」


「…変だよね。」


きっとあたしは情けない笑顔で笑ったんだろうな。


「あたし、変なの。」


「なんでだよ…」


あたしを抱き寄せてくれるレン。



…もしかしたら、はじめて会ったときから惹かれてたのかもしれない。

レンがあたしを助けてくれた、あの日。



「助けてくれたの。」


一言ヒロに言えばよかった話。


なのに…


「口止め。」


あたしは、何かを期待してたのかもしれない。
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