KISS

生まれて、初めてのキスをしたとき。

初めてドキドキしたのかもしれない。


ねえ…―――


嫌い。

なんて。



「好き」を隠してたのかもしれない。


完璧すぎると思ってた存在。
高値の花と思ってた存在。
嫌いだった存在。


でも…―――


好きになった。



「レン」を知って。

レンの「好きな人」の存在で気づいた。



「…あたしね、本当は好きな人が居るの……」


「…そっか…」


「気づくの、遅すぎて…っ…」


レンは、壊れないで。


あたしは、めちゃくちゃに壊れちゃったんだ。



大きな声で、はじめてレンの前で泣いた。
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