KISS



「あっちのほうのベンチ行って食べようか。」


「…うん。」



あたしとヒロはキラキラ光る屋台を離れて、暗い、光の無いベンチへ行った。



「…俺さー、実は今日誕生日なんだよね…。」


「へ…?」


嘘…
すっかり忘れてた。


「…ヒナは覚えてないと思った。」


笑いながら言うヒロ。


「ごめん…」


「いいよ。」


にこにこ。優しすぎる。




ヒロは、もう少し傲慢になればいいのに…―――



そう…レンみたいに…
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