KISS


「た…ただいま…」


静かにドアを開けて入ってきたレン。


かなり動揺してる。

だって、あたしの頬にはたくさんの涙が流れていたから。


「…おかえり…」


「…どうしたの?」


優しい声で話すレン。


「別に…」


レンに抱かれてみたかった。
拒否されて悲しかった。


なんて言えるはずないでしょ?




「…みて!!コレ!!」


レンの手にはコンビニの袋。


「何?」


袋の中から出てきたのは、たくさんの花火。


「ほら!!コレやろう!!
俺のアパートの裏、あんまり人通らないから、そこでやろ!!」


レンにせかされて、あたしはついて行く。
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