KISS


「ほら!!見て!!ヒナ先輩ー。綺麗でしょ?」


パチパチと緑、赤、白…と変わっていく手持ち花火。


「…そうだね…」


「そうだね…って反応うすっ!!」


「……」


さっきまで泣いてた人間がそんなすぐに立ち直れるはずないでしょ。

そう言おうと思ってもなかなか口に出せない。


…惚れた弱み…?かな…


「ほーら!!花火もって!!火つけるよ!!」


「ちょっ…」


突然渡された花火は、すごい勢いでついた。


「ちょっとっ…!!コレ怖い!!」




実は、花火恐怖症。
なんだソレって感じだけど…


持つの苦手なんだよね。花火。
見るのは平気だけど…



助けてくれないで笑っているレン。
あたしはギャーギャー騒いでレンに助けを求めていた。

やっとのことで消えた花火。


「やっと元気でた!!」


「…っ…」


綺麗な笑顔。

もしかしてこの花火はあたしのためなの…―――?

< 130 / 228 >

この作品をシェア

pagetop