KISS
―――それからしばらくして、
部活の終わったヒロが走ってきた。
「ごめんね。待たせて。」
「ううん。大丈夫。
ヒロと帰りたかったから。」
あんなことがあった後だし・・・ね。
「・・・・・・ヒナがそんな事言うなんてめずらしいじゃん・・・。」
周りが少し暗くてよく見えないけど、
ヒロの顔色が紅潮している気がした。
「・・・そうだよね。」
「うん。何かあった?」
・・・そういえば・・・
レンはヒロにさっきの事言ってないよね・・・!?
ヒロには・・・
知られたくない・・・。
「その・・・
レンに・・・・・・」
「え・・・?」
「負けてたでしょ!?」
「あっ・・・。」
ヒロははっとしたように口を押さえた。
「ヒナ見てたんだ?」
「うん。アヤカと。」
「かっこ悪いよな・・・」
かっこ悪いなんて思ってなかった。
でも・・・