KISS


次の日の朝は、どしゃぶりの雨だった。

まるであたしの心を映し出してるみたいに。


「おはよう。ヒナ。」


「…おはよう。」


雨に濡れてみたかった。
あたしみたいな雨だったから。


でも、そんなことはしない。
ヒロがきっとあたしに傘をさすんだ。


「ヒナ。明日…あいてる?」


「…うん。」


本当に、どしゃぶりだった。


ねえ、レン。

いつになったら、晴れるかな?


この雨がやんだら、あたしの雨もやむ?



ねえ…

レン…―――



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