KISS
「バンッ!!」
ドアの開く音。
「…へ?」
ヒロの間の抜けた声。
気付けばヒロの手が離れていた。
「その手離せよ。」
聞いた事のある声。
ううん。
聞いた事のある台詞。
「レンっ……」
「さすがにもうフルネームではなかったね。」
愛しい人の声。
「レンっ……」
涙が出る。
「ごめんなさい……」
そう言ってレンはあたしを抱きしめた。
どうして??
どうして来てくれたの??
レン……
待ってたよ―――