KISS
―――月曜日の朝。
ヒロは迎えに来なかった。
いや。
あんな状況に置かれて来るはずが無い。
正直、それよりも幸せのほうが大きくて。
最低だって解っていても、レンの顔が目に焼きついて。
学校に着いたときにレンを見つけて目が合ったときにはドキドキした。
レンが笑顔で手を振ってくれたときには本当に嬉しくて。
あたしも笑顔で手を振り返した。
「ひーなっ。」
「あ。アヤカ。」
「…あ。アヤカ。じゃないわよ!!本当に…」
「…ありがとね。」
「別にっ…人間として当たり前の行動をしただけよ!!」
…人間だったらそこまでしなきゃいけないのか。
というツッコミを入れてやりたいところだが、とりあえず今はアヤカに感謝しているので、そんなことは言わない。
「で…」
「で?」
「…レンとはどうなったのよ!!」
「ああ…」