KISS



そしてあの日。

そう。
6月2日。



「ひーなちゃん。いこっ。」


「うん。」



当たり前のようにあたしはよく解らないトナリのクラスの男子にほいほいついて行った。



けれど…
校門には知っているクラスメイトが立っていた。




「ヒロ…?」


「…あ…ヒナ…」


いかにも待ってました。
みたいな顔をあたしに向けた。




「おい。ヒナちゃん。早く…」


ぐいっ

ヒロがあたしの制服のすそを引っ張った。


「おい。てめえ。ヒナちゃんはなせよ。」


男はもちろんキレ気味。


「…って…」


「え…?ヒナちゃん?何?きこえな…」


「帰って。」


「…ちくしょっ…」


そう言ってあたしは男を帰した。
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