KISS


「ねえ。ヒロ。
なにか言いたいことがあるの?」


「うん。」


「文句?それとも悪口?」


「どっちでもない。」


「じゃあ何よ。

喧嘩売りに来たってわけ?」




きっと、
あたしは気づいてた。


ヒロが数秒後に言う言葉。


だから、
それが恥ずかしくて
くすぐったくて。


頑張って精一杯の強がりをしていた。




なかなか言われない言葉だったから。




「…好き…なんだけどさ…」



―――
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