KISS
「うん…っ…」
涙がぽたぽた零れ落ちる。
ああ。
あたしはこの人と付き合えてよかった。
だからレンにも出会えた。
ヒロに出会えて良かった。
「…ヒナ…」
「ん…?」
「…ありがとう。」
「…っ…
それは…あたしの台詞だよ…
あたしは、ヒロになにもお礼言われるようなことしてないし…
それに…
あたしのほうこそ…
ありがとう…だよ…」
「…ううん。
俺は、
ヒナのトナリで歩いて
ヒナの彼氏だって言えて
ヒナと…
一緒に居れて、幸せだった。
本当に、ありがとな。
本当は、俺がヒナを幸せにしてやりたいけど…
俺じゃヒナを幸せになんてできないから…
だから、バイバイ。」
バイバイ。
ヒロ。
ありがとう。
「うん。
バイバイ。」