KISS
けらけら笑っていると、ぐいっと手首を掴まれた。
「ちょっ…いきなりなにっ!?」
「俺は初めて見たときからずっとヒナ先輩のことが好きだった。」
「…え…!?」
「本当だよ。」
「そう…なの?」
「うん。初恋。」
「…!?へっ!?レンが?」
「うん。
俺、ヒナに初めて恋して初めてキスした。みたいな。」
「…うそ…」
「だあから。本当だって。」
レンのその目は曇りひとつなくて。
「ユイちゃんは?」
ちょっと不安になりながら聞いてみると、
「…へ?なんでユイ?」
という間抜けな回答が返ってきた。