KISS


「…ねえ…ヒナ。」


「ん?」


「今度の日曜日、一緒に来て欲しいところがあるんだ。」


「うん。」



一瞬、レンの顔が暗いように感じたけど、
気のせいか。

って。


このときはそう思ってた。



まだ知らないあたしはわくわくしてたんだ。



レンの痛みをまだ知らなかったあたしは。
< 203 / 228 >

この作品をシェア

pagetop