KISS


レンとの事は、誰にも言わなかった。


・・・というよりも言えなかった。




アヤカにさえも・・・


「ヒナっ!!」


「ん?」


「今日も放課後残るの?」




放課後・・・か―――

そうだね。


今日も残らなきゃいけないんだ・・・。



「うん・・・残る。」


「あたし待ってる?」


「いいの?・・・でも・・・」


「うん。じゃあ校門で待ってるからね。」




よく考えてみれば、
レンとキスして帰ればいいだけ。


誰にも・・・

ヒロにも・・・


バレなきゃいい話。



そう考えると気持ちが軽くなった。




「最低」

そう、自分でも解っていたけれど・・・―――
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