KISS
そんなのって・・・
「アンタ何言ってるの!?人の事からかうのもいい加減にしてよ!!」
「・・・・・・」
レンのまっすぐなまなざし。
綺麗な目。
曇りひとつない、綺麗な・・・・・・―――
「俺は、ヒナ先輩の事からかってるつもりないけど?」
「っ・・・・・・」
まだ声変わりしきっていないレンの声が流れ込む。
からかってるじゃない。
そんなに綺麗なのに、自ら汚れようとするなんて・・・―――
「馬鹿じゃ・・・ないの?アンタ。」
「馬鹿だよ。」
即答だった。
「アンタみたいなやつ、初めて・・・」
「うん。俺だってヒナ先輩みたいな人初めてだよ。
こんなにかわいい人、初めてだよ。」
―――レンは・・・からかってなんかない。
全てはレンの目が教えてくれた。
本気で何言ってんのよ。
馬鹿じゃないの?
心の中であたしがそう言ってる。
でも、ひとつの矛盾が生まれる。
「いいよ。汚してあげる。」