KISS
「ははっ・・・」
「・・・・・・ヒナ・・・先輩。」
「どうしたの?緋崎。真面目な顔して。」
「・・・いや・・・ヒナ先輩が笑ってくれたなあと思って。」
レンが顔を隠しながら言う。
でもちらっと見えた横顔は、笑って、紅潮してて。
「・・・だって緋崎面白いんだもん。」
「そっか・・・。」
「うん。」
「ねえ・・・ヒナ先輩?手・・・繋いでもいい?」
そう言ってあたしに手を差し出した。
「どうぞ。」
差し出された手にあたしは手を置く。
「ヒナ先輩。これって浮気じゃない?」
「だって付き合ってないから浮気じゃないでしょ?」
あたし達は笑いながら校門を抜けた。