KISS


「ところでさ、ヒナ先輩ん家ってどこな訳?」


「歩いて行ける距離。あっちの方。」


「ああ。俺ん家もそこら辺だわ。」


「ふーん。」


あたりは夕日が沈んできて、静かだった。

たまに虫の鳴き声が聞こえるかなあ―――?
って感じ。


「・・・ヒナ先輩はさ、ヒロタカ先輩の事好きなの?」


「はっ!?いきなり何それ!!」


本当にいきなりすぎる・・・。
ヒロの事・・・?

嫌いじゃない。
でもアヤカには本気で好きじゃないって言われるし、キスとか、そうゆう行為もしたいと思わない。


考えているとレンが口を開く。


「・・・いきなりじゃない。ずっとそう思ってた。」


「え・・・・・・?」


おかしいよね?
あたし達、知り合ったばっかりだよ?

確かにね。レンの事は知ってた。
目立つし、かっこいいし。


でもあたしは別の学年にまで知れ渡るような・・・
そんな目立つほうじゃないと思ってるし。


「なんで?おかしいよ。知り合ったばっかじゃん。」
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