KISS
それからあたし達はお互い恥ずかしがってか、一言も喋らなかった。
でも、手だけは繋いだままで―――
口を開いたのはあたしから。
「・・・ここ・・・あたしん家。」
「そっか・・・・・・・。」
「・・・うん・・・ありがとね。」
「ん・・・ああ。」
「じゃ・・・バイバイ。」
そう言って繋いでいた手を離し、家に入ろうとした時だった。
「待って!!」
レンがあたしの手を掴む。
「な・・・何・・・?」
「キス・・・してから帰る。」
「はっ・・・はあ!?」
唖然としてる間にキスをしていた。
そのキスは優しくて・・・
「・・・ばいばい。ヒナ先輩。」
「・・・・・・じゃあね」
あたしは帰って行くレンの背中を見つめていた。―――