KISS
第3章◆ふたり
―――あたしは部屋に入ってずっと考えていた。
もう、あたしはきっとレンのこと、嫌いじゃなくなっている・・・。
自分でも薄々気づき始めていた。
かわいい顔で笑うし、以外に優しいし。
今日だって、送ってくれたし・・・・・・―――
『プルルルルル・・・』
携帯が鳴る。
「・・・もしもし・・・」
「ヒナ先輩。今家に着いたよっ!!」
元気な声。
「そっか・・・」
自然に笑みがこぼれる。
「ねえ。明日は何曜日だか解ってる?」
「・・・・・・土曜日・・・?」
「だからさ、口止めできないと思わない?」
「なっ・・・じゃあどうすればいいのよ!!」
「・・・うーん・・・土曜日はさ、俺部活あるんだわ。ってことで、日曜日俺とデートね。
プツッ・・・」
「・・・ちょ・・・」
切られた・・・電話。
そしてすぐにメールが来る。
【日曜日の10時、ヒナ先輩の家の前で待ってるから!】