KISS
「っ・・・ごめん・・・遅れたっ!!」
「ヒナ先輩・・・」
「何!?真顔になってっ!!」
「・・・・・・かわい・・・」
「なっ・・・」
自分でも顔が赤くなっているのがわかる。
「似合ってるよ。その服。」
「・・・っ・・・」
服のことには触れて欲しくなかったんだけど・・・・・・
真っ白のワンピース。
ヒロと前にデートしたときに、自分で買ったの。
「ヒナには似合わないよ。」
そう言われたけど。
欲しかった。
解ってた。白なんて。ましてやワンピースなんて。
でも純白になってみたかった。
格好だけでも。
「嘘。似合ってないでしょ。あたしこんなの・・・」
「似合ってる。ヒナ先輩らしいって!!ほら!!いこっ!!」
差し伸べられた手に、手を置く。
だって、自分からは握れないから。