KISS


レンに引っ張られるがままに歩いていると、そこにはうちの近くにあるアパートがあった。

「ここ。俺んち。」


「あ。うん、おじゃまします・・・」


家の中へ入ると、そこにはシンプルにまとめられたリビング。小さな冷蔵庫。調理器具がないキッチン。


もしかして・・・


「レンって1人暮らし?」


「うん。そうだよ。」


「へ!?なんで・・・・・・・」


「・・・まあいろいろ・・・」


レンは言葉を濁した。

ああ。この人にだって言いたくないことがあるんだ。
そう思ったからそれ以上は聞かなかった。

聞けなかった・・・―――


「俺の部屋。どうぞ。」


「あ・・・うん。・・・・・・ってぷっ・・・」


「なんで笑うんだよ!!」


ベットには大量に積まれた少年漫画。小さなテレビの近くにはたくさんのゲーム。


「以外・・・でもないか。緋崎はガキだから!!」


「なんでそうなんだよっ!!俺は、ガキなんかじゃないし!!」


ムキになるレン。


「それがガキだってば!!」


レンはふてくされていた。
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