KISS
「ヒナっ!?」
…何ショック受けてんのよ。このぐらいで…。
はあ…ヒロと居るのってこんなに疲れたっけ…?
「…なんて。嘘。本気にしないでよ。」
「なんだ…ビックリした。」
こんな嘘信じるなんて、ビックリしたのはあたしの方よ。
「ごめん。」
なぜかこのやりとりが馬鹿馬鹿しく感じた。
どうしてだろう…?
でも、最近気づいた。
ヒロはあたしの居場所じゃないって。
でも、居場所が無いはずなのに、なぜか平気。
「…じゃあ学校に着いたから…また…ね。」
ヒロが言った。
「また」っていつなんだか…。
「うん。」
軽く返事。
何か言い忘れた事があった気がしたけれど、「いいか。」と流してしまった。