KISS
「お、ヒナー」
「おはよ。アヤカ。」
アヤカと話してる暇もなく終業式への移動がはじまった。
―――校長先生の長い話。
耳を傾ける人なんてほとんどいなくて。
やっとのことで終わったときには、皆の顔に笑顔があった。
「ねえ。アヤカ。」
「んー?」
「あたしやっぱヒロのこと好きじゃないのかなあ?」
「だから言ったでしょ。」
アヤカが得意気に言う。
「ははっ。そうだね。」
「レンでしょ。」
「…へ?」
アヤカの唐突な発言。
「んじゃ。がんばって!!マネージャー。ばいばい。」
「あ!!」
ヒロに言うの忘れてた!!
…とりあえず明日わかるもんね…
―――夏休みが始まろうとしていた。