KISS


「お、ヒナー」


「おはよ。アヤカ。」


アヤカと話してる暇もなく終業式への移動がはじまった。


―――校長先生の長い話。

耳を傾ける人なんてほとんどいなくて。


やっとのことで終わったときには、皆の顔に笑顔があった。


「ねえ。アヤカ。」


「んー?」


「あたしやっぱヒロのこと好きじゃないのかなあ?」


「だから言ったでしょ。」


アヤカが得意気に言う。


「ははっ。そうだね。」


「レンでしょ。」


「…へ?」


アヤカの唐突な発言。


「んじゃ。がんばって!!マネージャー。ばいばい。」


「あ!!」


ヒロに言うの忘れてた!!

…とりあえず明日わかるもんね…



―――夏休みが始まろうとしていた。
< 70 / 228 >

この作品をシェア

pagetop