KISS
レンは…
「いいんです。大会…頑張ってください。」
そう、笑って言った。
彼は、完璧だった。
完璧すぎて、嫌になるぐらい。
こんなときでも実感してしまう。
自分にとって大事だった大会。
ぶち壊しにされて。
あたしだったら絶対許せないと思う。
ましてや…
笑って…
「頑張ってください。」
なんて。
優しすぎるでしょう?
だから、そうゆう風にできない、あたしが惨めに思える。
だから、嫌いだった…―――
レンのいいところが、あたしは嫌いだったんだね…―――