もっと★愛を欲しがる優しい獣
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(マジかよ……)
俺はテレビの画面に映し出された結果を見て、愕然とした。
「なかなか、手強かったね」
鈴木はそう言うと、ふうっと一息ついてコントローラーを床に置いた。
二分割された画面の内、鈴木が操るプレイヤー1側には“WIN”の文字とともに少女のキャラクターが万歳しながら飛び跳ねている絵が映し出されている。
「えーっ!!もう、負けちゃったの?」
対照的に姉さんのプレイヤー2側には “LOSE”という文字と一緒にシュンとうな垂れている魚のキャラクターが……。
俺の思惑通りに事が運んでいれば、本来は逆の結果となるはずだった。
(お、おかしい……)
夢でも見ているのか俺は……。
自分が先ほど見たものが信じられなかった。
ゲームが開始するなり目にもとまらぬ速さで、プレイヤー1のぷにぷにが高速回転し垂直落下していった。
姉さんがマイペースでぷにぷにを消している間に、鈴木の高速連鎖が完成しあっという間に負けてしまったのだ。
姉さん相手にも一切の手加減なし。容赦することなく、勝ちにこだわる姿勢は全くの予想外。
車のハンドルを握ると人が変わる人間がいるというけれど、あいつは……。