もっと★愛を欲しがる優しい獣
テーブルに眼鏡を置いて、ひろむのお昼寝用のブランケットを身体に掛けてあげると、その顔立ちに思わず見惚れてしまう。
(やっぱり綺麗……)
鈴木くんが起きないように伸びきった前髪をこっそり掻き上げてみれば、そこには女性と見間違いそうなくらい、神々しい均整のとれたお顔が現れる。
……私より鈴木くんの方がよっぽどお化粧が似合いそうだ。
(なんだか、ずるい)
拗ねたい気分になって、鈴木くんの頬を指で突いてみる。すべすべの肌はふにふにとしていて気持ちが良かった。
(この顔に惑わされてばかりだわ……)
私をベッドに押し倒した時、鈴木くんは今のように眼鏡を付けていなかった。