もっと★愛を欲しがる優しい獣
その41:必ずやってくる未来
「ええええええーーーーーーー!?」
私は思い切り叫ぶと、その場にへにゃへにゃと崩れ落ちた。
もう完全に腰が抜けてしまって、しばらく立てそうにない。
だ、だ、だ、だ、だって、あ、あ、あ、あ、あ、あろうことか!!
「姉ちゃん!!どうした?」
悲鳴を聞きつけた樹と早苗が洗面所に駆けつけてくれたけれど、目の焦点すら怪しくなっている今の私に説明能力は皆無だった。
「け、けけけけ!!!ぷぷぷ、ぷろ……ぽぽぽぽ!!」
早苗の足に何とか縋りついて状況を説明しようとするが、結婚という一言はおろかプロポーズされたことすら伝えられない。
「兄さん、これはダメね。完全に思考停止状態よ」
早苗は頭上で腕をクロスさせおっきいバツ印を作り、樹に合図を送った。
「……ひろむが母さんの腹の中にいるって分かった時以来だな」
ええ、あの時も!!腰を抜かすほど驚いたけれども!!
今回は……それ以上の衝撃である。
目を回してひっくり返っていないのが未だに不思議なくらいだ。