もっと★愛を欲しがる優しい獣
「ダメだって!!」
スカートがめくられないように必死になって手で押さえる。
「え?なんのこと?」
素知らぬ顔で尋ねてくるから、ますます性質が悪い。
「うちには幼稚園児と、小学生の弟妹がいるのよ!!」
「今更言わなくても知っているよ?」
(そう言う意味じゃない!!)
……わかっているくせに知らないふりをするつもりなのだ。
「うちでは触るの禁止!!」
「それじゃあ、俺の家なら触り放題ってこと?」
……墓穴を掘ったと気づいたのは、その時だった。
私から離れると、素早くソファから身体を起こす。
「今度、佐藤さんが家に来るのが楽しみだな~」
鈴木くんはそう言って、テーブルに置いてあった眼鏡を軽やかに装着したのだった。
……どうやら、私はこの人に振り回される運命にあるようです。