もっと★愛を欲しがる優しい獣
「これ、あげる」
そう言われて手を差し出すと、チリンと小さく鈴の音が鳴った。
鈴木くんがデスクの引き出しから取り出して、私の掌の上に乗せたのはセカイブラックのキーホルダーが付けられた鍵だった。
「不安になったらいつでもおいで」
合鍵にまで戦隊ヒーローグッズをつけているなんて、鈴木くんってどれだけセカイジャーが好きなの?
おかしくって涙が出そうになる。
目の前にぶら下げると、ヒーローがゆらゆらと左右に揺れた。
仁王立ちでポーズを決める姿はなんて勇ましいのかしら。
ハロー、マイヒーロー。
次に不安に襲われたらあなたが私を守ってね。
「鈴木くん!!」
「うわっ!!」
すっかり油断していた鈴木くんに抱き付くと、一緒にベッドになだれ込む。
……私はやっぱりこんな鈴木くんが大好きです。