ダイスキなアイツ──後輩へ──
二人きりの1-2。
俺は手を動かしながら、口も動かした。
「 お前って…本当優しいよな。つか、お人好し? 」
俺は皮肉を込めて、森に話しかける。
「 え、優しいとか…久しぶりに言われたわー。まじ嬉しい!ありがとさん! 」
いや、褒めてないんだけど…
とりあえず、返事だけはしておこうかな。
「おぅ。 」
俺が返事をすると、森は頬杖をつき、俺の顔をじっと見つめた。
…なんだよ、森。
じっと見られると緊張するんだよな…。
「 あの…森、なに?」
「 いやーなんかね、久しぶりだなぁって思って。千翔人と二人きり…
保育所のときから、千翔人といるときは、隣に竜太郎もいたから。」
そう言って、彼女は微笑んだ。