ダイスキなアイツ──後輩へ──

「 小さいときは…楽しかったな。
竜太郎と千翔人と3人で保育所抜け出したよね…。迷子になってさ…私が泣いちゃったとき、2人がお金出し合ってペロキャン買ってくれたよね。
私…まだ覚えてるよ。」


…そんな日もあったな。

窓を見つめ、森は遠くを見るような目で、そっと涙を流した。


え、森泣いてるよ…


今のどこに泣く要素があった！？



こういう時はなんて言えばいいんだろ…


内心焦る俺。


「森、泣くなよ。ほら。 」

俺はポケットからハンカチを取りて、森の涙を拭った。



大粒の涙は、俺のハンカチでは拭いきれない隠れた優しさを感じた


「 私ね、ずっとね…千翔人のこと好きだったよ。ねぇ、千翔人は、私のこと嫌い？」