ダイスキなアイツ──後輩へ──
「 だって、全然好きっていってくれないじゃん…。」





は…?
何いってんだ…




レイは馬鹿か?




「 口で直接言わなくても伝わるだろ。好きじゃねぇやつに普通、キスなんてできねーし。」





「でも、私は何度も好きっていったよ? 」






「 知るか。人にはひとの愛情表現があるんだよ。
レイの愛情表現は口で直接好きって言うことかも知れねーけどさ。俺の場合は違うんだよ。」







「 そっか…。
そうだね、ごめん。
じゃあ、千翔人は私とどうしたい?

私は…。
本当は別れたくなかったんだけど…」






俺も、別れたくない。

レイが、好き。

別れたくない。いやだ…!!

そう伝えたかったのに。





「 なに今更都合いいこと言ってんだよ。別れろって言ったんはレイだろ。
今更、元に戻せるかっての。」





俺は机を蹴る。
机は倒れた。







この机は、まるで今の本当の俺みたいだな。













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