ダイスキなアイツ──後輩へ──
「 そうだね…さようなら、ちか……ううん、北里。 」
北里?
苗字で呼ぶ彼女に後ろ姿を見せた。
泣いてるわけじゃない。
ただ、目から雫が出ているだけだ。
引き止めてくれないのか?
なぁ?
わずかな期待も、虚しく散る。
彼女に聞こえないくらいの小声で俺は呟く。
「 サヨナラ、愛しい人。 」
────────────────
13歳、俺は幼馴染みのレイと別れた。
それから、もう一言も話していない。
あの頃は未練タラタラだったが、今はもう後残りがない。
それより今は、俺が初めて恋をしたころの13歳の莉子に夢中…じゃなくて、莉子のことが気になっている。
北里?
苗字で呼ぶ彼女に後ろ姿を見せた。
泣いてるわけじゃない。
ただ、目から雫が出ているだけだ。
引き止めてくれないのか?
なぁ?
わずかな期待も、虚しく散る。
彼女に聞こえないくらいの小声で俺は呟く。
「 サヨナラ、愛しい人。 」
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13歳、俺は幼馴染みのレイと別れた。
それから、もう一言も話していない。
あの頃は未練タラタラだったが、今はもう後残りがない。
それより今は、俺が初めて恋をしたころの13歳の莉子に夢中…じゃなくて、莉子のことが気になっている。