彼=浮気【完】
私たちは店を出て、とりあえずブラブラした。
「あ!どうせならさ、赤ちゃんの洋服みにいこうよ!」
「え、いいの?」
「当たり前でしょ!私もめっちゃ楽しみにしてるし!行こ行こ!」
「………うんっ!」
無邪気に笑いながら手を引く静歩。
まるで姉妹みたいだね。
こんなに明るく私を照らしてくれる光。
支えてくれる存在。
いつもありがと。
普通、出産は反対することなのに。
それも受け入れてくれて。
笑顔で私を元気にしてくれる。
「あ、ほらほらあっちだよ!」
「うん!」
赤ちゃんコーナーへ走る私と静歩。
「いっぱいあるねー!」
「だねー!あ、これ可愛い!」
「そういえば!性別はなんだっけ?」
「まだわかんない…」
「そっかぁ……。ならさ、女の子でも男の子でもいいように、黄色とかは?」
「そうだね!あ、これは?女の子だったら、このピンクの着させたいなぁ!」
「男の子ならこの龍のやつがいいねー!」
早く生まれないかな?
そしたら、この子に似合う服、たくさん選べるのに。
「女の子かなぁ?男の子かなぁ?」
私のお腹を撫でながらいう静歩。
「元気に生まれてきてくれれば、それでいいよ」
「そうだね!」
私も静歩も知らなかった。
ここにいるのは、私たちだけじゃないことを…。
「…………にぃ?」