泣くな。って君が言うから
翌日
かーくんと太一は
黒染めしピアスも外しやって来た。

兄と話してるのが聞こえた。

「兄ちゃん、俺ら進学せんとちゃんと働こう思ってんねん」

「まぁな(笑)お前らに高校行く頭はないわな」

「兄ちゃんもなかったやん(笑)」

「俺は行ったわ!中退や!(笑)
俺は中退した事を後悔してる。悪さばっかして何もかも中途半端やった。
お前らは行けるなら行ってほしいけどなぁ…」

「俺らな志穂には高校行かしてやりたい。どんな未来も心配せんでええように金は残しててやりたいねん」

「働き手は多い方がええやろ(笑)」

「…ありがとうな。その気持ちだけで十分やから」

「兄ちゃん泣くから!(笑)」

「泣いてへんわ(笑)」

男3人が泣き笑いしてる。


誰も私の気持ちなんて知らん
寂しさを我慢してるのなんて知らん
誰も私のことなんて気にもしてない

それは悲劇のヒロインぶった被害妄想
そんな自分が恥ずかしくなった。

皆一番に私の事を考えててくれてたのに
見もせず気付きもせず
自分の事ばかり考えて
勝手に寂しくなってた。

私も派手な身なりを止めた。
勉強も頑張った。

あの日の事は誰も触れない。
けど自分の友達がした事に
かーくんは罪悪感でいっぱいだったと思う。
同情でも罪悪感でも
また3人で過ごす日が多くなって
私は嬉しかった。
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