泣くな。って君が言うから
無口で亭主関白の父
料理上手で明るい母
太陽みたいにキラキラした6つ上の姉
女癖の悪いシスコンの4つ上の兄
わがままで泣き虫な私

私の家族。

小さい頃からハーフ?と聞かれるほど
真っ白な肌に茶色の瞳に茶色の髪
整った可愛い顔をしてるね。
知らない人にもよく言われた幼少期。
連れ去り未遂やイタズラ未遂なんてものは何度もある。

男勝りで、お人形遊びだなんてした事もない。
わがままを言えば親が聞いてくれなくても
年の離れた兄妹が聞いてくれる。特に兄が。

そりゃあ、もう、わがまま。
わがままクイーン。

人は顔じゃない。
そう思うけど
顔が良けりゃ得する事も多い。
嫌な思いをする事も多いけど。

自意識過剰にならないように
わがままが過ぎないように
小学生の頃から母に毎日、言われていた。

分かってる。

可愛い。
それは私にとって褒め言葉ではない。

知らない人に身体を触られるし
顔だけで選ばれるのは嫌だ。

男の人は苦手だ。

良い子でいたかった。
勉強も頑張ったし
優しい子、気が利く子。
そう思われたかった。

本当の私を理解してくれる人はいない。

違うな。

私の中身を見てくれる人はいない。


少しずつ心を闇が覆っていく。

曲がった私が生まれていく。
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