愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】




「じゃあ、俺は学校行くけど…一人で帰れるか?」

「うん、大丈夫」

ホテルから近くの駅で、榊原と別れることになった。


「何かあったら連絡しろよ。圭吾でも俺でも蘭でもいいから」

…心配してくれてる。


「うん」


本当に、何で今まで気付かなかったんだろうか。


「じゃあな」

手を振って、榊原が反対側のホームに行ってしまう。


あ…


私、まだー…




「…っ榊原!!」


大きな声で呼ぶと、驚いた顔をして榊原が振り返った。




「…ありがとう」


呼び止めた声よりも小さくなってしまったがー…



「どういたしまして!」

榊原にはちゃんと聞こえたようだ。



再び手を振ると、榊原は人混みの中に消えていった。




「本当に…」


ありがとう。









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