愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】
[あ、櫻井?]
「はい」
柳先生の声だ。
[急で悪いんだけど、今から学校来れる?]
ドクン。
…え?
「え…制服クリーニング出しちゃってないんですけど」
どうして?
[もう放課後だから私服でも大丈夫だよ]
「…わかりました」
[大丈夫だから。気をつけてな]
「はい」
そう返事をすると、電話を切った。
どうして学校に行かなきゃいけないのか、聞けなかった。
やっぱ、昨日のことでー?
悪い想像ばかりが、思考を支配し始める。
「…いやいや」
そんなことを考えてちゃダメだ。
これじゃあ、前と一緒だ。
「行こう」
柳先生は、大丈夫って言ってた。
だから、ちゃんと自分の目で見て聞いてそれから考えよう。
そう決心すると、学校に向かった。