愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】
柳先生の優しさは心を軽くしてくれるけど、乱すこともある。
「…本当に何もなかったのか?何か、様子がー…」
そう言いながら、柳先生の手が頬に触れようとした。
「!」
パチン!
乾いた音が、リビングに響いた。
「…あ」
柳先生の手をはたいた手が、ジンジンと痛む。
私、またー…
「あの…」
「ごめんな。今日は疲れただろ?風呂に入って早く寝ろよ」
違う…
「おやすみ」
柳先生は、ソファから立ち上がると自分の部屋に行ってしまった。
再び静まり返った、リビング。
また、柳先生に謝らせてしまった。
私が悪いのにー…
「もう…嫌…」
心が乱される。
こんなことなら感情なんか、やっぱりいらないよ。