愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】
「あー…蘭の押しの強さにはかなわないな」
その日の夜、久しぶりに柳先生と夕飯を一緒に食べている。
「そうですね」
苦笑いで答えるしかない。
「櫻井は良かったのか?旅行」
「え?」
「榊原も行くことになっちゃったけど、良かったのかなって」
「あ、はい。前のことは謝ってくれましたし。もう気にしてません」
「そっか。なら良かった」
「柳先生こそ、旅行いくこと良かったんですか?」
「あー…まぁ、うん。大丈夫だろう。蘭には、県外にするように言っといて。交通手段は、俺が車出すし」
「あ、はい」
そう言うと、柳先生は立ち上がり食べた食器を台所に片づけに行った。
そして、いつもの通り自室に戻って行った。