愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】
旅行
「きゃー、気持ちいい!ねっ、マナ」
「うん」
8月上旬、蘭の念願の旅行に4人で向かうことになった。
地元から、車で2時間の県外へ。
「あーあ、助手席乗りたかったのにな」
後部座席で、蘭がずっと出発してから同じことを言っている。
「しょがねぇだろ、内緒できてるんだから」
運転している柳先生がバックミラーを見ながら言った。
「俺は、後部座席でも良かったんだけどね」
助手席に座っている榊原が振り向き言った。
「じゃあ、帰りは私が助手席!」
「だめだ」
「えー!!!??」
「俺だって、圭吾の隣は嫌なんだけど」
「あはは!圭吾の隣にいたら、すれ違う車に顔を見比べられちゃうね」
「うるせーよ!蘭」
「2人ともうるさい」
車内は出発してから、ずっとこのテンション。
一泊二日、ずっとこのテンションなのかな?
「…櫻井は、車酔いとかしてないか?」
「!」
急に名前を呼ばれ、顔を上げるとミラー越しに柳先生と目が合った。
「大丈夫で…うっ…」
あれ、なんか頭が…
胃がぐるぐる気持ち悪い。
「ちょ…マナ!?圭吾、ストップ!!」
吐きそうー…