愛されたい、だけなのに~先生、どうしたらいい?~【2】
「おい榊原、あっちで蘭が呼んでるぞ」
「!」
榊原に肩を貸してもらって数分後、柳先生が戻ってきた。
「は?なんで俺を…」
「すっげぇ綺麗な滝だから、榊原にも見せてやりたいって」
「は?じゃあ…櫻井も…」
「櫻井は休んでもらわないと、このままじゃ旅館に着かなくなる」
「!」
やっぱり、迷惑かけてるー…
「ほら、行ってこい」
柳先生は榊原の背中を押し、ベンチから落とした。
「いってぇな。たく…わかったよ。行けばいいんだろ?」
「噂流されたくなかったらな」
「!?行くよ!!だから、噂なんか流すなよ!????」
「はいはい」
ぶつぶつ言いながら、榊原は蘭の待つ滝に向かって行った。
「やっと、静かになった」
溜め息をつきながら、今度は柳先生が隣に座った。