電車のキミ
あの、すみません!
『松島行き、発車します』
アナウンスとともに
扉がしまる。
朝、7時19分の電車。
いろんな学生が
たくさん乗ってくる、
一、二本早いこの時間。
あたし、
指原さしはらつぐみは
毎日この電車にのる。
そして、いまあたしの視界にいる
ブレザーの男の子も、そうだ。
制服からして近所のM高校。
あたしと同じで
ここから5個いったところで
乗り換える。
話したことがないけど
いつも一人で
あたしより先に乗っていて
入り口そばにもたれながら
イヤホンをして、窓を見てる。
そんな姿をいつも
彼と対象の、反対側の窓に
もたれてみているあたし。
…ほんとは話しかけたいんだけどな
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