電車のキミ
こんなかんじで3ヵ月。
いつものように
乗り換えの駅につこうとした。
そのときだった、
カタン
と、
彼のかばんから
なにかが落ちた。
イヤホンをしているからか
まったく気づく様子のない彼。
まわりもみんな座ってるし、
……え、これ
声かけるべき?
そんなこと思いながら
降りる駅に着いてしまった。
彼がすぐにドアを抜けていく。
「っえ、ちょ!」
あたしもすかさず追いかける。
そのまえに、
落ちたものを拾い上げた。
「定期じゃん!」
早く渡さなきゃ!
あたしは、
夢中で走り出していた。