抹殺ゲーム。
あいつは、小さいころからわがままだった。

「ねぇ、みきちゃん。そのおもちゃかして?」

「いまつかってるの。あとでね。」

「いま!いまかして!」

「やだ!わたしがつかってるの!」

「...じゃあこんなの、こわす!」

バキッ

私のおもちゃが、真っ二つに割れた。

「あ...」

「みきちゃんがかしてくれなかったからだよ!みこのせいじゃないもん!」

「わたしの...おもちゃ...」

「ばいばい。みこ、ママとおかいものいってくる。みきちゃんはこないでね。」

みこはお母さんのほうへ行ってしまった。

お母さんも、みこを可愛がっているのだ。

「...っ...うぅ...うーっ...」

私は、声を殺して泣いた。

小さい子が泣くようには、泣かなかった。

というより、泣けなかった。

そのように泣くと、親に叱られるから。

みこは許されるのに、私は許されない。

最悪だった。

家にも居場所がない私。

自殺をしようとしたこともある。

でも、できなかった。
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