キミだけの、その声で。 ~君とあたしの恋の唄~








ガチャガチャと、楽器をしまっていく3人。


集まって、カレらの唄を聴いてきた人たちは、次々に帰っていくのに、

あたしはまだその場を動けずにいた。



どうしよう……。


話しかけたい……。 いや、でもここでいきなり話しかけたら、

「お前誰だよ」みたいな目で見られないかな!?

いや、確実にそうなるよ。うん。


そうなったら、あたし恥ずかしくて死ぬ。



いや、でも。

もう会えないかも知れないんだよ?



なんて、1人グズグズと悩みまくるあたし。

たぶん、傍から見たら相当変な人だ。


カレらは、楽器を片付けていて気づいていないのが、唯一の救いだ。



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