キミだけの、その声で。 ~君とあたしの恋の唄~
頷いたあたしを見て、「俺にだったのか」と呟いたカレは、すくっと立ち上がった。
そんなに背、高くないんだなあ。
近くで並んでみて、そう感じた。
「どうしたんですか?」
ひとりで背比べしてるあたしに、首を傾げて、そうたずねてきたカレ。
ああ。そうだった!
本来、声をかけた目的を忘れかけてた……!
ふう。と大きく息を吐き出して、心臓を落ち着ける。
「あ、あのっ。 あたし、その、あの……」
あー!もう!
緊張しすぎて、なかなかうまく説明することが出来ない。
全身の血が沸騰したみたいに、熱くなる。
たぶん、あたし今、顔真っ赤だ……。